2007年6月15日(金)「しんぶん赤旗」

政治資金規正法改定案

佐々木議員の反対討論

疑惑解明にフタするな


 十四日の衆院本会議で行われた政治資金規正法の与党案と民主党「修正」案に対する日本共産党の佐々木憲昭議員の反対討論は次のとおりです。

 今回の法「改定」は、いわゆる事務所費問題に端を発したものであります。この間、故松岡農水大臣、伊吹文部科学大臣をはじめ、一部の与野党議員の資金管理団体が、家賃も光熱水費もかからない議員会館に事務所をおきながら、多額の事務所費・光熱水費を計上していることが発覚しました。

 ところが、疑惑を指摘されたこれらの政治家の多くが、その実態を国民に明らかにしようとせず、「法的に問題はない」と居直ったのであります。これが、国民の怒りをまねいたのは当然です。そもそも、疑惑をうけた政治家が自らその真相を明らかにしないことが問題であり、それを終始かばってきた安倍内閣の責任は極めて重大であります。そのため、国会の場で疑惑の解明が求められ、各党の姿勢が厳しく問われたのであります。

 ところが、与党と民主党は真相の究明から制度の問題に議論を移しました。提案された案では、その適用を二〇〇八年分の収支報告からとしているのであります。これでは、現に焦点となっている疑惑解明にまったく役立たないではありませんか。国民から「疑惑隠し」という批判を招くことは必至であります。

 そもそも、政治資金は、その収支を公開することによって、国民の不断の監視のもとにおくことが求められているのであります。この精神に照らせば、すべての政治資金の流れを公開するのは当然であります。

 ところが、法案では、人件費を除外したうえ、対象となる団体を限定したり、基準額を五万円のままとしています。これでは、他の政治団体に付け替えたり、基準額以下に細分化することによって、実態を隠すことができるのであります。大きな抜け穴を残しているではありませんか。

 また、投機的取引を目的とする不動産や有価証券などの取得・保有は、現に禁止されており、今回の法改定が、とりたてて意味を持つものとはいえません。

 最後に、「政治とカネ」をめぐる最大の問題は、企業・団体からの“ヒモつき”をいかに断ち切るかということです。そのため、企業・団体献金は禁止、政党助成金の廃止、これこそ、緊急に実行すべき課題であります。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp