2007年6月16日(土)「しんぶん赤旗」

イラク撤退法案再び

米民主党、下院に提出方針


 【ワシントン=山崎伸治】米民主党の議会指導部は、二〇〇七会計年度追加予算に盛り込めなかったイラク駐留米軍の撤退について、新たな法案を準備し、独立記念日の休会(六月三十日―七月八日)前にも決着を図る考えです。

 民主、共和両党の議会指導者は十三日、ホワイトハウスでブッシュ大統領と会談。イラク情勢などについて意見交換しました。

 会談後に記者会見した民主党のペロシ下院議長は、「イラク戦争を継続する大統領の権限を廃止する法案」を下院に提出すると述べました。民主党のシューマー上院議員は、現在上院で審議中の二〇〇八会計年度国防権限法案に撤退の「日程」を盛り込む方針であることを明らかにしました。

 会談に先立って、ペロシ氏と民主党のリード上院院内総務はブッシュ氏に連名で書簡を送付。イラク駐留米軍の任務を限定し、段階的な撤退を開始し、戦争を終わらせる法案を提案する考えを表明しました。

 両氏は「米軍部隊を増派したが、暴力の抑制にも政治的和解の創出にもほとんど影響を与えていない」「イラク国民に対する暴力事件は引き続き頻発し、米軍部隊に対する攻撃も増えている」と増派計画が失敗していることを強調。

 イラク撤退を盛り込んだ法案にブッシュ氏が拒否権を発動したことを批判し、「発動後も大統領のプランがうまくいっていないことがいっそう示されていることに照らせば、イラク政策で進路の修正が必要なことは明らかだ」として、イラク戦略の見直しを迫りました。

 ペロシ氏によると、これらの要求に対し、会談でブッシュ氏から返答はありませんでした。



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