2007年6月20日(水)「しんぶん赤旗」

「集団自決」教科書検定

削除撤回の意見書可決

沖縄県議会委が全会一致


 沖縄県議会の文教厚生委員会は十九日、沖縄戦「集団自決」における軍関与の記述を削除した、文部科学省の教科書検定を撤回するよう求める意見書を、自民、公明、共産、社大など全会一致で可決しました。本会議採決日は調整中ですが、沖縄戦「終結」の慰霊の日(二十三日)前に開き、採決する意思も確認しました。

 意見書は「沖縄戦における『集団自決』が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは、紛れもない事実であり、今回の削除・修正は体験者による数多くの証言を否定しようとするものである」と指摘。「去る大戦で、国内唯一の地上戦を体験し、一般県民を含む多くの尊い生命を失い、筆舌につくしがたい犠牲を強いられた県民にとって、今回の修正等は到底容認できるものではない」としています。

 同委員会に所属する日本共産党の前田政明県議は「検定に対する県民の怒りが結集して党派を超えて可決できた。県議会として県民に責任が果たせ、たいへんうれしく思っています」と語りました。

 検定問題をめぐっては、六月議会終了までに県下四十一市町村議会のほとんどで撤回を求める意見書が採決される予定になっています。

多良間町議会も決議

 沖縄県多良間町議会は十九日、沖縄戦「集団自決」の軍関与の記述を削除した教科書検定撤回を求める意見書を全会一致で可決し、内閣総理大臣や文部科学大臣などに送付しました。

 文科省が検定理由として、当時の軍関与を否定する元日本軍関係者が起こした訴訟をあげていることについて「一方の当事者の主張のみを取り上げることは、文部科学省自らが課す検定基準である『未確定な時事的事象について断定的に記述しているところはないこと』を逸脱するばかりか、体験者による数多くの証言や、歴史的事実を否定しようとするものである」としています。



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