2007年6月23日(土)「しんぶん赤旗」

「集団自決 軍の関与は事実」

沖縄県議会が全会一致

教科書修正容認せず


 文部科学省が教科書検定で、沖縄戦の「集団自決」に日本軍の強制があった記述を削除・修正させた問題で、沖縄県議会は二十二日午前、教科書検定意見の撤回を求める意見書を全会一致で可決しました。

 意見書は「沖縄戦における『集団自決』が、日本軍による関与なしに起こり得なかったことは、紛れもない事実」「筆舌につくしがたい犠牲を強いられた県民にとって、今回の修正等は到底容認できるものではない」としています。

 議会終了後、自民党議員からも歓迎する声が上がりました。

 名護選出の自民党の安里進県議は、沖縄戦の時、五歳で家族らと、やんばるをさまよい、日本兵に銃を突き付けられ、食料を奪われる経験もしました。「米軍より日本軍の方が怖かった。文科省の検定意見を聞いて『また戦争が始まる』と思わざるを得なかった。あんな経験をもう後世の人たちにさせてはいけない。史実は史実として後世に伝えるのが私たちの責務」「平和こそ大事。九条だけはいじっちゃいけない」と語りました。

 同県の仲村守和教育長は前日二十一日に文部科学省を訪れ、検定意見の撤回を求めています。二十二日現在、県内四十一市町村のうち三十六市町村で撤回を求める意見書を可決しています。


“検定意見撤回を” 代表団が文科省に

 沖縄県議会は二十二日午後、自民党、公明党、日本共産党、沖縄社会大衆党など超党派の議員七人を東京に派遣。文部科学省、内閣府、沖縄選出の国会議員などを訪ねて要請を行いました。

 文科省で代表団は、検定意見を撤回し、事実に基づいた記述にするよう要請。文科省側は、「審議会で審議している通り」と答えるにとどまりました。要請後、代表団は記者らに「文科省に誠意が見られず、がっかりした。検定意見の撤回は、県民の総意だ」と語りました。

 国会では、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員を訪れ要請。代表団には、日本共産党の前田政明県議も参加しました。



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