2007年6月24日(日)「しんぶん赤旗」
沖縄戦「終結」62周年―政府へ怒り
集団自決 記憶消せぬ
沖縄県は二十三日、二十万人が犠牲となった沖縄戦「終結」から六十二周年を迎えました。かつて激戦地となった糸満市摩文仁(まぶに)の「平和の礎(いしじ)」では、礎に刻まれた夫、息子、母、父…亡き親族の名前を前に、手を合わせ祈りをささげる県民の姿があちこちに見られました。
住民を巻き込んだ戦火は、言語に絶する無数の悲劇を生みました。その県民の思いを逆なでするような政府の動き。教科書の「集団自決」の軍の強制の削除・修正に県民の怒りは広がっています。米軍再編による新基地押しつけにも反発があります。
八十三歳の女性は「やんばるの山中で妹を亡くした。この礎に刻まれた名前以外、遺骨も何もありません。だから毎年、ここで妹と語り合っているんです」。「集団自決」をめぐる教科書問題について「文章は消せても、脳裏に刻まれた記憶は消せません。安倍晋三首相が、何しに沖縄に来たんでしょうね」と言いました。
摩文仁の平和祈念公園では、県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が行われ、参列者約四千四百人が黙とう。安倍首相、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員など地元国会議員が出席しました。
仲井真弘多知事は平和宣言で、次世代に沖縄戦の真実の姿を伝えると述べました。安倍首相は「在日米軍の再編を着実に推進する」と、さらに沖縄に基地を押し付ける姿勢を見せました。
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