2007年6月24日(日)「しんぶん赤旗」

北朝鮮 核合意履行を表明

IAEA代表団 26日現地入り


 北朝鮮の外務省スポークスマンは二十三日、二月十三日の六カ国協議で合意した寧辺の核開発施設の稼働停止・封印など「初期段階措置」の履行に入ることを表明しました。二十二日には国際原子力機関(IAEA)が核施設査察団の復帰に向けた代表団を二十六日から北朝鮮に派遣することを発表。合意履行と六カ国協議再開への流れが加速しています。

 北朝鮮外務省スポークスマンの談話は、マカオの金融機関で凍結されていた北朝鮮関連資金の「最終解決を前提に合意履行に入る」としています。ロシア財務省当局者は二十三日、北朝鮮関連資金がロシアの極東商業銀行(ダリコムバンク、本店ハバロフスク)の口座に入金されたと発表。この後、資金は北朝鮮の貿易銀行に送金されます。これにより、北朝鮮が合意履行に着手する条件が整いました。

 談話は今後の六カ国協議の日程について、七月初旬に首席代表会合、八月初旬に東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に合わせて外相会議を開くために米朝が協力していくと明らかにしました。

 さらに談話は、二十一、二十二の両日に訪朝したヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が北朝鮮側と、初期段階措置に続く「その後の段階でのそれぞれの行動措置」についても「深い意見交換を行った」としており、核開発の完全放棄や米朝国交正常化などについても話し合ったことを示唆しました。

 北朝鮮に派遣されるIAEA代表団はハイノネン事務次長(査察担当)を団長とする四人で構成。核施設の稼働停止に向け、査察の対象・範囲と手続きなど具体的な措置を北朝鮮側と協議し、三十日に帰国の途に就く予定です。

 IAEAのエルバラダイ事務局長は二十二日、「長く複雑なプロセスを始めることができる。これが正しい方向へのプロセスだと信じている」と述べました。

 ヒル次官補は二十二日、米CNNテレビのインタビューで、IAEA代表団が北朝鮮入りした後の一、二週間以内に、北朝鮮の核施設の稼働停止が実現するとの見通しを示しました。


 初期段階の措置 二月十三日の六カ国協議で、二〇〇五年九月の共同声明履行のために合意した措置。六十日以内に北朝鮮が核施設を稼働停止・封印し、国際原子力機関(IAEA)による査察を受け入れる一方、五カ国は北朝鮮に重油五万トンに相当するエネルギー支援を実施。初期段階措置履行後に六カ国閣僚会議を開催。初期段階の次の段階として、北朝鮮の核施設を「無能力化」し、同国に重油九十五万トン相当の経済・エネルギー・人道支援を行うとしています。



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