2007年6月28日(木)「しんぶん赤旗」

「慰安婦」決議39対2

米下院委可決 本会議で来月採決へ


 【ワシントン=鎌塚由美】旧日本軍の「従軍慰安婦」問題で日本政府に公式な謝罪を求める決議案が二十六日、米下院外交委員会で圧倒的多数で採択されました。討論では、安倍晋三首相と「靖国」派国会議員への批判が続出。ペロシ下院議長は同日、同決議案の本会議可決を目指すとの声明を発表しました。

 採決回避に動いた日本政府のもくろみは破たんし、安倍首相の強制性否定発言をはじめ過去の侵略戦争を正当化する「靖国」派勢力への国際的な糾弾の流れが鮮明になりました。

 外交委員会は、ラントス委員長(民主党)とロスリティネン議員(共和党)が共同提案した修正案を協議し、修正案を賛成三十九、反対二で可決しました。

 修正案は、日米同盟の重要性を強調する文言を挿入し、日本の首相に謝罪を求める表現を若干和らげました。しかし、日本軍による女性への性奴隷の強制を日本政府が「明確であいまいでない方法で、公式に認め、謝罪し、歴史の責任を受け入れる」との要求は変わっていません。

 討論では民主、共和両党の議員が、強制性を否定した安倍首相の発言を批判、「日本の謝罪は不十分」との声が相次ぎました。

 委員会を通過した決議案は本会議に上程されます。本会議を取り仕切るペロシ議長は声明で、決議案の本会議での可決を目指すと表明。七月中に本会議で採決の可能性がいっそう高まりました。

 ペロシ議長は「慰安婦」問題では、「日本政府には、もっとすべきことがある」と指摘、「過去の過ちを認識し、その歴史を繰り返さないために、未来の世代を教育するのに遅すぎるということはない」と語りました。

 二十六日現在、同決議案の共同提出議員は、百四十九議員を数えています。



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