2007年6月28日(木)「しんぶん赤旗」

「慰安婦」問題

最終解決へ被害者と協議を

弁護士44人が要望書

首相あてに


 旧日本軍の「従軍慰安婦」問題で日本政府に公式の謝罪を求める決議が米下院外交委員会で可決されたことを受け、中国、韓国、フィリピンなど各「慰安婦」訴訟を担当してきた弁護士が二十七日、「被害者の名誉と尊厳を回復するため」内閣府に要請、問題の最終解決を求める要望書を安倍晋三首相あてに提出しました。同日までに四十四人の弁護士が連名しています。

 要請は四人の弁護士がおこない、日本政府に対し▽「慰安婦」問題が未解決であることを認め、▽今年出された第三十八回国連拷問禁止委員会の勧告や米下院議会の決議、日本兵らに連行、監禁され、性暴力を受けた被害事実を確定した最高裁判決などを真摯(しんし)に受け止め、▽軍の関与を認めた「河野談話」の見地に真に立脚し、問題の最終解決のために被害者および弁護士らとの協議の場を設けるなど、新たな取り組みを求めました。

 対応した大臣官房総務課調査役は要望を首相に伝えるとのべる一方、内閣府に同問題の担当所管がないことを明らかにしました。穂積剛弁護士は「所管がないというのは問題を解決していくという意思がないからではないか」と批判しました。

 要請後の記者会見で川上詩朗弁護士は、米下院議会での決議について「(他国に)言われたからやるのではなく、人権侵害の問題をわれわれ自身がどう考えるのか、戦後日本のあり方がこのままでいいのか。日本としてどう主体的に考えていくのか、きっかけを与えてもらったと受け止めている」と語りました。



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