2007年6月28日(木)「しんぶん赤旗」
情報保全隊が天下り
軍需企業・警備会社などに
国民監視“経験”生かす
緒方議員調べ
国民監視活動で批判を浴びている陸上自衛隊の情報保全隊幹部が、軍需企業大手の東芝や警備会社などに天下りしていたことが、二十七日までに明らかになりました。同隊幹部が退職後も自衛隊での経歴や国民監視活動の“経験”を生かしている姿がうかがえます(表)。日本共産党の緒方靖夫参院議員事務所の調べによるもの。
分かったのは、二〇〇四年から〇七年(六月一日までの判明分)の期間に退職した元幹部です。
東芝へ天下りしたのは、陸自の通信学校長を経て、情報保全隊の隊長を務めた陸将補。同隊長として在職していたのは、〇三年三月から〇五年三月まで。この期間は、日本共産党が公表した陸自の全内部文書のとりまとめ時期と重なります。
同隊長は、退職後に東芝の顧問へ天下りしました。防衛省は、東芝での職務内容について「通信科職種の経験を生かした通信科装備品の運用に関する指導及び助言」と説明しています。
東芝は例年、防衛省との契約高で上位五位から七位を占め、軍需企業でも大手にあたります。
このほか情報保全隊幹部の天下り先には、綜合警備保障や全日警といった警備会社もあります。
また東北方面情報保全隊長を務めた一佐は、外務省へ再就職しています。防衛省は、外務省での職務について「警備対策専門官」としています。
同隊長が退職した〇四年一月十六日は、陸自の内部文書の一つで、東北方面情報保全隊長名の「情報資料(16―2)」の表紙に記載されている日付と同じ日にあたります。
同資料は、同年一月七日から十四日までの活動をまとめたもので、イラク派兵反対運動だけでなく、写真家の森住卓氏の写真展や、「医療費負担増の凍結・見直し」の宣伝、署名活動まで詳細に記録しています。同隊長も、在職中にこうした国民監視活動に深くかかわっていたとみられます。
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