2007年7月1日(日)「しんぶん赤旗」
東京大気訴訟原告団が和解案受け入れ
解決にむけ前進へ
メーカーの決断問われる
東京大気汚染公害訴訟の原告団が六月三十日、東京高裁の和解案の受け入れを表明したことで、「東京にきれいな空気を取り戻したい」という原告のたたかいは、一九九六年の一次提訴以来、解決へ向けて前進することになりました。
原告らは十一年にわたり、文字通り命がけでたたかってきました。このなかで、百二十一人がすでに亡くなっています。
東京高裁の勧告を受けた和解協議で、都は医療費助成制度の創設を、国は公害対策の実施を表明しました。医療費助成制度は、都内全域で全年齢を対象とし、自己負担なしで創設するもので、実施されれば、原告にとどまらず、数十万人といわれる都内のぜんそく患者全体の救済につながります。原告はこの点を評価し、和解案の受け入れを決断したのです。
和解協議で国と都、首都高会社が和解案の受け入れを表明しています。メーカー七社は、ばく大なもうけをあげる一方で、公害をもたらすディーゼル車を大量に製造・販売してきました。
メーカーには、加害企業として社会的責任を果たすことが、強く迫られています。(川井 亮)
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