2007年7月2日(月)「しんぶん赤旗」
貧困打開へつながろう 東京で集会
非常勤教員「年収80万届かない」
広がる貧困にもうがまんできないと一日、東京都内で、さまざまな立場にある市民が共同して集会を開きました。反貧困ネットワーク準備会(代表・宇都宮健児弁護士)が主催。「人間らしい暮らしを求めてつながろう」と六百三十人が会場を埋めました。
「ネットワーク準備会」は、弁護士、労働団体、生活保護・ホームレス支援などにとりくむ市民団体の代表など四十人が参加しています。
集会では、宇都宮弁護士が「貧困の広がりは人間の尊厳を奪い去り命さえ奪う。貧困を見てみぬふりはもうできません」と主催者あいさつ。
無年金の在日外国人の生活実態、非正規雇用の過酷な労働条件と低賃金、無権利の実態、学校給食費さえ払うことのできないシングルマザーの生活実態などをそれぞれが報告・告発。十七団体の代表らが運動の内容を紹介し交流しました。
非常勤教員の女性は「年収八十万円にもなりません。生活保護を受け、やっと子どもと向きあう余裕ができた。教育をよりよくしていこうと市民や臨時教員の仲間と会をつくった」。生活苦から多重債務をかかえた女性は保育料が払えず「卒園証書を息子一人だけがもらえなかった」と涙ながらに訴えました。
日本共産党政策委員長の小池晃参院議員が出席しました。
集会は、「貧困の拡大を傍観し、容認する社会であってはならない」とする宣言を採択。貧困拡大の原因は雇用、社会保障の破壊にあり、子どもの夢を奪い未来をも破壊する事態にいたっていると批判。「もうがまんできない。だれもが人間として尊重される社会の実現に向けて貧困に抗するネットワークを広げ、大きなうねりをつくろう」と呼びかけました。
「貧困問題に取り組まない政治家はいらない」の横断幕や「派遣社員の使いすてをやめろ」のプラスターを掲げ、赤坂までデモ行進しました。
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