2007年7月2日(月)「しんぶん赤旗」

「被爆者の苦悩に全く配慮欠く」

久間発言を地方紙が批判


 久間章生防衛相の、広島、長崎への原爆投下は「しょうがない」との発言を受け、一日付の各地方紙は被爆者や識者の声を紹介するとともに、社説でも閣僚としての資質を問う論調を掲げています。

 西日本新聞は社説で、「どんなに釈明しようとも、発言の趣旨や理由がどうであれ、これは被爆国の閣僚がすべき発言ではない」ときびしく批判。「ソ連の意図や米国が原爆を落とすことを見抜けなかった(日本の)判断ミスを含めて」などという久間氏の釈明についても、「戦略・戦術面だけで、原爆投下の意味を総括すべきではない。久間氏の閣僚としての資質を疑う」と批判しています。

 高知新聞も社説で「被爆の惨禍忘れたのか」の見出しを掲げ、「(被爆者の苦しみは)現在も続く深刻な問題であり、その苦悩への配慮が全く欠けている点でも暴言といわざるを得ない」と批判。四月に射殺された伊藤一長前長崎市長の、「原爆投下を正当化しようとする人がいまだに存在することは、長崎市民にとって許し難い」との言葉を引いています。

 両紙とも、久間氏を擁護している安倍晋三首相に対しても、「被爆国の政治指導者としての歴史認識が乏しい」(「西日本」)と資質を問うています。

 久間氏の地元でもある長崎新聞は、「毎年、平和祈念式典にも出席していたのに何を聞いていたのか」「大臣を罷免しないなら、政府・与党が同じ視点だと内外に示すことになる」など被爆者の怒りの声を伝えています。中国新聞も、「米国の言い分そのままで、許せない暴言」との広島県被団協の金子一士理事長の声を紹介しています。



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