2007年7月2日(月)「しんぶん赤旗」

久間氏暴言 第五福竜丸展示館で聞く

本当に被爆国の大臣か
核の恐ろしさ見据えよ

東京・夢の島


 久間章生防衛相の広島、長崎への原爆投下は「しょうがない」という発言について市民はどう感じたのか。アメリカの水爆実験で被ばくした第五福竜丸が展示してある東京都江東区、夢の島の第五福竜丸展示館で一日、来場した市民に聞きました。


 仕事で北海道から来たついでに寄ったという病院職員の男性(53)。「そういう感覚なのかと、まず正直驚いた。世界は核兵器をなくす方向にある。本当に被爆国日本の大臣なのだろうか。怒りというよりあきれてしまう」と言います。

 休日を利用して子どもを連れて来た東京都板橋区の会社員の男性(46)は、「原爆を落とさなくても日本は降伏していた。アメリカの実験だったことが分かっている。原爆投下は『しょうがない』ことではない」と怒ります。

 夢の島でのスポーツイベントの帰りに寄ったという茨城県牛久市在住の男性(37)は、「実は自分も学生のころまで、原爆投下は仕方がなかったと思っていた。しかし広島、長崎に行き、何があったのか知り、被害者の立場に立つと考えが変わった。大臣の発言は被害者の感情を無視した言葉だと思った。大臣のすべき発言ではない」と話します。

 第五福竜丸平和協会事務局長の安田和也さんは、「広島、長崎に原爆がもたらした被害と破壊を大臣は認識しているのか疑わしい。核の破壊と脅威をきちんと見据えるべきだ。展示館に来るみなさんが願うことは、『戦争はどんなことがあっても反対、核兵器はなくすべきだ』ということ。政府の高官は国民の平和や核廃絶の願いを体現していくのが仕事のはずだ」と語りました。



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