2007年7月7日(土)「しんぶん赤旗」
名前一致なら同人物
年金照合で政府方針
政府が五日発表した年金記録漏れ対策の「追加措置」では、基礎年金番号に未統合の「宙に浮いた」五千万件の「名寄せ」をすすめるための具体例を示しています。
従来の「氏名」「生年月日」「性別」の完全一致という条件を緩和し、(1)名前のみの一致も同一人と考慮し、結婚や離婚による姓変更に対応(2)誕生日の前後一日のずれも同一人とみなす(3)性別のチェックをはずし、例えば「ヒロミ」を男・女を同一人と考える―などを例示しました。
政府は、このような照合作業ができるコンピュータープログラムを開発。二〇〇七年十二月―〇八年三月にかけて、「記録が結びつくと思われる」受給者・加入者に、「結びつく可能性がある」旨の通知と加入履歴を合わせて順次送付。そのあと、これ以外のすべての受給者・加入者に納付記録を「ねんきん特別便」として送り、〇八年十月までに一億人への記録送付を完了させるとしています。受給者は〇八年四―五月にかけて、加入者は〇八年六―十月にかけて、順次記録が送られる計画です。
政府の「追加措置」では、受給者・加入者一億人に納付記録を送る方針を明記したことは大きな前進ですが、五千万件の照合作業を優先するという「段階」を設けています。もちろん五千万件の照合作業は急がなくてはなりませんが、照合作業と一億人への記録送付は、矛盾するものではなく、同時並行でできる作業です。
むしろ、全受給者・加入者に納付記録を送ることで、一人ひとりが自分の記録を確認でき、照合・名寄せの作業が促進できます。
政府方針のいっそうの改善が求められています。
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