2007年7月7日(土)「しんぶん赤旗」

「集団自決」の島調査

沖縄県議会代表 生存者から聴取


 沖縄県議会の文教厚生委員会の議員らが六日、同県渡嘉敷(とかしき)島、座間味(ざまみ)島を訪れ、「集団自決」を生き抜いた人から話を聞く現地調査を行いました。

 軍の関与を示す記述を削除させた文部科学省の教科書検定意見にたいして、県議会と県内全四十一市町村議会が撤回を求める意見書を可決しています。

 四日には県議会や市町会など行政六団体が文科省を訪れ、撤回を求めました。ところが文科省が拒否したため、県議会は再度、十一日に意見書を採決する見込みです。現地調査は、そのためのものです。

 渡嘉敷村では、住民が山の谷あいに集められ、「集団自決」で人口約千四百人中、三百二十九人が亡くなりました。母の「死ぬのはいつでもできる」との一言で、自決を思いとどまった吉川嘉勝さん(68)は「日本軍がいなかった隣の前島では集団自決が起きていない。軍の関与がなければ、島民が一カ所に集まって死ぬなんてあり得ない」と語気を強めました。

 仲里利信・県議会議長(70)は「戦争を美化してはならないし、絶対に繰り返してはならない。私たちは皆さんの体験を後世に伝える義務がある。検定意見を撤回させるまで全力で頑張る」と語りました。

 日本共産党の前田政明県議は「修羅場をくぐり抜けた生の証言に圧倒された。議員みんなが、撤回させるまで頑張ることで一致できたと思う。有意義な視察だった」と語りました。



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