2007年7月11日(水)「しんぶん赤旗」

通常国会にみるたしかな力 共産党(5)

カネの不正 チェック役


 安倍晋三首相(自民党総裁)「赤城(徳彦農水)大臣はきちんと説明している」

 日本共産党の志位和夫委員長「不明な点がないなら領収書をつけて出すと約束すべきだ」

 八日の各党党首によるテレビ討論。赤城農水相の架空事務所費疑惑の全容解明を迫る日本共産党と、幕引きに躍起になる自民党との対決が展開されました。あいまいな安倍首相の発言に司会者が「領収書の公開はどうなのか」とたたみかける場面も。日本共産党国会議員団と「しんぶん赤旗」の追及で「政界乱気流」(与党幹部)となった事務所費問題は、国会閉幕後も大きな焦点になっています。

■追及の先駆

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(写真)「赤旗」のスクープを報じる『ダカーポ』

 国会議員の政治団体が家賃のかからない議員会館を主たる事務所として三千万円から四千万円もの事務所費を計上している。国民からみて大変疑問だ――事務所費問題を最初に国会で追及したのは日本共産党の井上さとし参院議員でした(昨年十一月二十九日の政治倫理・選挙特別委員会)。さらに新年早々「しんぶん赤旗」(一月三日付)は松岡利勝農水相ら閣僚と自民、民主両党幹部ら十八人が一千万円以上の事務所費を計上していることをスクープ。内閣と与党、民主党を揺るがす大問題に発展しました。松岡農水相とともに追及の矢面に立たされた伊吹文明文部科学相は答弁のたびに「『赤旗』が報じて騒がれているが…」といらだちを隠しませんでした。「共産党の調査能力ってたいしたもんだね。新聞やテレビも少し見習ってほしい」(雑誌『ダカーポ』七月四日号)などマスメディアの評価が相次いでいます。

 日本共産党がこうした不正・腐敗に正面から切り込めるのは、政治を金でゆがめる企業・団体献金とはいっさい無縁で、政党が国民の税金を山分けする政党助成金の廃止を主張し、受け取りを拒否しているからです。

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(写真)松岡前農水相の疑惑について質問する紙智子議員=5月8日、参院農水委

 政・官・業癒着の追及もリードしました。紙智子参院議員は五月八日の農水委員会で、農水省所管の公益法人と一体の政治団体から松岡農水相が多額の政治献金を受け取っていたとの調査結果を公表。同省所管の独立行政法人「緑資源機構」発注業務をめぐる官製談合事件で疑惑が浮上している政治団体からの献金も含まれていることも明らかにしました。翌日の新聞は「『官・業』一体で族支援」(「東京」)と大きく報じました。

■民主に疑惑

 民主党は「政治とカネ」で自民党を追及する姿勢をみせたものの、それは自らにはね返ることになりました。事務所費問題では小沢一郎代表の不動産取得問題が浮上しました。光熱水費のかからない議員会館に巨額の同費を計上していた問題では、中井洽元法相が車代などを光熱水費に入れていた問題が発覚。さらに角田義一前参院副議長には多額献金を政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑が持ち上がって副議長辞任―という形です。

 結局、与党と民主党は自らの疑惑解明をすることなく、政治資金規正法の見直しという小手先の制度いじりに逃げ込み、幕引きをはかりました。「政治とカネ」の問題で日本共産党が「たしかな野党」であることをはっきり示しています。(おわり)


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