2007年7月11日(水)「しんぶん赤旗」
格差是正問題(1) 税制 民主党との違いは?
〈問い〉 日本共産党は、格差是正のためには(1)税の所得再配分機能(2)社会保障の負担と給付(3)働くルール―という三つの是正が必要と主張していますが、この三点で、自民党と対決をいっている民主党はどうなのでしょう。比較するとどのように違うのですか?(東京・一読者)
〈答え〉 税の所得再配分機能を回復するためには、「庶民に大増税して、それを大企業と大資産家にばらまく」という、現在の「逆立ち」した税制にメスを入れることができるかどうかがカギになります。
自民党は、小泉・安倍内閣のもとで、庶民には5兆円超の大増税をおしつけました。他方で、大企業・大資産家には4兆円もの減税を行っています。
ことしだけみても安倍内閣は、定率減税廃止で、庶民に1・7兆円の増税をおしつける一方で、減価償却制度の見直しや証券優遇税制の延長など、合計1・7兆円の大企業・大資産家減税を行っています。こうした「逆立ち」税制を続ける自民党のやり方では、税の所得再配分機能は破壊される一方です。
民主党は、選挙を前にして「増税反対」のポーズをとっていますが、同党の「2007年参議院選挙政策リスト」では、引き下げられてきた法人税を「当面維持するべき」と主張するとともに、大企業向け研究開発減税の「拡大」が盛り込まれています。また、同党が財界に提出した文書(05年4月)では、今後、「法人税率の引き下げについても検討をおこなう」とのべています。大資産家優遇税制についても、民主党は自民党以上に積極的です。株式譲渡所得への税率を26%から20%に引き下げる法案(「租税特別措置法改正案」01年)に民主党は賛成しました。03年には「税率を時限的にゼロにせよ」という主張さえしています。「逆立ち」税制にメスを入れられない民主党の立場では、税の所得再配分機能を回復することはできません。(藤)
〈「社会保障」「働くルール」問題での民主党との違いは次回に掲載〉
〔2007・7・11(水)〕