2007年7月12日(木)「しんぶん赤旗」
「集団自決」
沖縄、再び意見書
県議会 検定意見撤回せよ
沖縄県議会は十一日、日本軍の「集団自決」への関与を示す記述を削除させた文部科学省の教科書検定意見の撤回を求める意見書を再度、可決しました。一会期に二度、同様の意見書をあげるのは異例です。
県議会は先月二十二日に撤回を求める意見書を全会一致で可決。今月四日に県、県議会、市長会など議会・行政六団体が上京し文科省に撤回要請をしましたが、文科省は事実上門前払いしました。県議会は再度意見書を可決させることを決め、渡嘉敷(とかしき)島、座間味(ざまみ)島に超党派の議員を派遣し、「集団自決」の体験者から話を聞く現地調査をしてきました。
再度の意見書は、議会・行政六団体の要請を拒否した文科省を「到底容認できるものではない」「県民の総意が明らかにされたことに対する重みへの配慮が十分でなかったことはまことに遺憾」と批判しています。
その上で「沖縄戦における『集団自決』が日本軍による関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実」「沖縄戦の実相を正しく伝えるとともに、平和を希求し、悲惨な戦争を再び起こさないようにするためにも、今回の検定意見が撤回され、同記述の回復が速やかに行われるよう再度要請する」としています。
「二度の意見書可決は前例がなく、それだけ県議や県民の皆さんが、問題を重要視していることの表れだ」と語った仲里利信議長(70)=自民党=は「後世のために歴史は正しく伝えるべき。戦争は悲惨なもの」として、沖縄戦の実相の聞き取りを継続させ、文科省に事実を示し続けることが大切だと強調しました。
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