2007年7月12日(木)「しんぶん赤旗」
米が核兵器一部撤去か
在独米軍基地 独誌が報道
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【ベルリン=中村美弥子】ドイツの週刊誌『シュピーゲル』(電子版)は九日、ドイツ南西部のラムシュタイン米空軍基地に貯蔵されていた米国の核兵器が撤去され、同基地から核兵器がなくなったもようだと伝えました。同基地には百三十発の核兵器が貯蔵されていました。撤去が事実であれば、独国内に貯蔵される核兵器はビュッへル米軍基地の二十発のみになるとしています。
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同誌は、米科学者連盟(FAS)のクリステンセン氏の指摘として報道しました。
クリステンセン氏は、在欧米空軍が今年一月末に公表した核兵器貯蔵基地を列挙したリストの中にラムシュタイン空軍基地が含まれていないことに注目。このリストは、米軍基地内の核兵器の安全性を調査する核保証査察について述べた文書の中に査察地として挙げられているものです。二〇〇五年三月末のリストにはラムシュタイン基地が含まれていました。
同氏は、「以前、基地に貯蔵されていた核兵器が撤去され、米国に戻されたのかもしれない」(FASのウェブサイト)との見方を示しています。『シュピーゲル』に対しても、「(ラムシュタイン基地から)核兵器がなくなったことは多くの兆候から判断できる」と語っています。
核兵器がいつ撤去されたのかは不明です。クリステンセン氏は、〇五年に閉鎖されたライン・マイン空軍基地の一部機能移転に伴うラムシュタイン基地拡張工事の際、安全のために核兵器が運び出され、以後も戻されずにいるとみています。
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