2007年7月14日(土)「しんぶん赤旗」
後期高齢者医療広域連合の議員
11都道県で共産党20人
来年四月に始まる後期高齢者医療制度(対象七十五歳以上)は、都道府県ごとに設置された「広域連合」が運営主体となります。その予算などを審議・決定する広域連合議会の選挙で、日本共産党の市町村議会議員が十三日までに十一都道県で二十人当選し、各地で注目されています。
トップで当選
広域連合議会は、各都道府県に一つずつ設置され、保険料の設定や減免制度の条例などを制定します。定数は十―五十程度で、都道府県によって異なります。議員は、都道府県内の市町村の首長や議員から互選、住民が直接参加できるしくみにはなっていません。
鹿児島県では二日、日本共産党の宮内博・霧島市議が、市議枠(定数六)で九十六票を獲得し、トップ当選しました。県内の日本共産党の市議総数二十六人を大きく上回る得票でした(投票人は五百三人)。同県の広域連合議会の定数は二十。市長枠と市議枠が各六、町村長枠と町村議枠が各四という構成です。市議枠をめぐっては、議長会が六人の議長を推薦して議席の独占を狙っていました。
宮内市議は、保険料を全高齢者に一律負担させるなど後期高齢者医療制度の問題点や改善方向を示した政策をまとめ、すべての市議に届けました。このなかで、保守系の議員からも「住民の立場から発言してくれる人が必要だ」「政策を示しているのは共産党だけ」との声が上がり、支持が広がりました。
宮内市議は「日ごろから住民の立場で活動する各市の共産党議員への信頼が、選挙での支持につながったのだと実感しています。高齢者の声を制度に生かすことや、保険料の減免制度の拡充などを求めていきたい」と語っています。
党派超え信頼
宮城県では定数三十六に対し、日本共産党の五人が当選しました。同県では、三十六の市町村議会から一人ずつが選出されました。
共産党議員は、各議会で後期高齢者医療制度のしくみと問題点を指摘。保守系の議員からも「この制度では大変なことになる」と不安が広がり、「この問題に詳しい共産党にやってもらうのがいい」と、党派を超えた信頼が集まりました。
茨城県では三月二十日、佐藤文雄・党かすみがうら市議が定数八の市議枠で、他会派の議員の支持も得てトップ当選しました。佐藤市議は、三月二十九日に初会合後、さっそく議会報告を作ってすべての市町村議あてに届けました。
さらに、四月の市議選による失職や辞職などで六人の欠員が生じたために行われた補選でも、六日、中庭次男・党水戸市議が当選しました。佐藤市議は「高齢者の支払い能力に見合った保険料設定など、安心できる医療制度にするために、中庭議員と力をあわせて、住民の声を議会に反映させていきたい」と話しています。
当選した日本共産党議員
【北海道(32)】
清水雅人・滝川市議
中橋友子・幕別町議
【宮城(36)】
長谷川博・東松島市議
鞠子幸則・亘理町議
歌川渡・七ケ浜町議
今野章・松島町議
遠藤武夫・色麻町議
【茨城(22)】
佐藤文雄・かすみがうら市議
中庭次男・水戸市議
【埼玉(20)】
加川義光・さいたま市議
【東京(31)】
岩田康男・三鷹市議
【長野(16)】
金井忠一・上田市議
唐沢啓六・豊丘村議
【奈良(20)】
高橋重明・宇陀市議
【岡山(15)】
田辺昭夫・倉敷市議
【高知(10)】
和田賢二・土佐町議
【鹿児島(20)】
宮内博・霧島市議
【沖縄(25)】
湧川朝渉・那覇市議
宮城寛諄・南風原町議
上江洲盛元・久米島町議
※( )内の数字は定数
後期高齢者医療制度 昨年六月に自民、公明両党が強行成立させた医療改悪法に盛り込まれたもの。七十五歳以上の高齢者全員から、月平均六千二百円の保険料を徴収します。保険料が払えない人からは保険証を取り上げ、「資格証明書」を発行することも法律に明記されています。
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