2007年7月17日(火)「しんぶん赤旗」
パリの環境対策に貸自転車
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【パリ=山田芳進】フランスのパリで十五日、二十四時間貸自転車制度がスタートしました。「大気汚染と温室効果ガス削減に向けた重要なたたかいに取り組むパリ市民の決意の表れ」(ドラノエ市長)です。
このシステムの名は、フランス語のベロ(自転車)とリベルテ(自由)を掛け合わせて「ベリブ」。約三百メートルごとに設置された七百五十の無人スタンドに、一万六百四十八台を配置。市内のどこのスタンドで乗っても降りても自由です(十四歳以上が対象)。今年中に千四百五十一スタンド、二万六百台に拡充する予定です。
利用するには、カードを購入します。一年用(二十九ユーロ=約四千九百円)、一週間用(五ユーロ=約八百五十円)、一日用(一ユーロ=約百七十円)の三種類で、期間内はいくらでも利用できます。
またどのカードでも、最初の三十分までは無料。次の三十分は一ユーロ、その次は二ユーロ、その次は四ユーロと加算されます。自転車のローテーションを促進するためです。
地方からやってきた造形芸術家のディディエ・トレネさん(42)は「たまにパリに出てきて、美術館などに行くのにちょうどいい。地下鉄よりパリを自由に堪能できるから」と語りました。
フランス国内では、二〇〇五年五月から、リヨンで同様のサービスが始まっており、いまスタンドは二百五十カ所、三千台を運用しています。96%が三十分までの利用で、66%が通勤・通学に使われており、毎年二千四百トンの二酸化炭素削減につながっているとの統計があります。
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