2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」
中越沖地震 被災住民
水を 食料を 情報を
給水に列 “見通し立たない”
新潟県中越沖地震から一夜明けた十七日、断水とガスの供給停止が続く柏崎市では、水や食料を求める市民の姿がありました。日本共産党の片山康夫柏崎市議は避難生活の状況や、被災した住民の要望を聞き取りました。(本田祐典)
断水が続く市内で、住民の最大の要求は水を確保することです。
同市枇杷島のコミュニティーセンターでは、水がもらえると聞いて住民が集まったものの、給水車の到着が一時間遅れ、さらに一時間以上の順番待ちのうえ、水がなくなり、給水を受けられない人もいました。
「水がなければ、ご飯も炊けないし、便所も流れねぇ。困ったもんだ」。同市剣野町の剣野小学校に給水を受けにやってきた男性(68)はいいます。
同小学校には、朝七時ごろからペットボトルやポリタンクを持って地域の住民が集まり、給水車の前には百人を超える列が―。ペットボトルと電気ポットに水をくんでいた女性(28)は「建物の被害はなくても、これでは生活がもたない。断水がどれだけ続くのか心配」と語りました。
食料も手に入りにくくなっています。市内のスーパーやコンビニで手に入るのは、スナック菓子ばかりです。
同市大久保の大洲小学校では町内会が呼びかけ、自主的に炊き出しを始めました。
「米や炊飯器を持ち寄ってがんばっているが…」と顔を曇らせるのは大洲二区町内会長(68)。十八日の夕食まで炊き出しを続ける予定ですが、それ以降は「まったく見通しが立たない」といいます。
剣野小学校の避難所では、十六日夜に支給された食事はコッペパン一個。十七日の朝食はおにぎり一つだけ。家族五人で避難していた男性(47)は「食事が出る時間すらわからない。中学、高校生の二人の息子にはつらいはず」。
生活に必要な情報の不足を指摘する声も聞かれました。避難所では、防災無線や市役所の広報が、ほとんど伝わっていません。
大洲小学校に避難している男性(71)は「避難所に拡声器が必要。一個でいいから置いてくれ」と訴えます。避難所になっている体育館の端で、市職員やボランティアが呼びかけても、多くの人には聞こえないからです。
この男性は「しっかり情報を伝えてほしい。防災無線の内容などを紙に書いて張り出してもらえないだろうか。このままでは、耳の遠い人や動けない人が孤立していく」と話しました。