2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」

原爆投下を裁く

国際民衆法廷 米国に有罪宣告

広島


 広島市中区の平和記念資料館地下メモリアルホールで十六日、原爆投下を裁く国際民衆法廷の判決公判があり、レノックス・ハインズ裁判長(米国ラトガーズ大法学部教授・国際法)は、アメリカ政府と原爆投下当時の大統領や政府閣僚、開発した科学者、投下を実行した軍人など十五人に有罪を宣告しました。

 同ホールで昨年七月十五、十六の両日に開かれた同法廷が有罪とした判決要旨を、ハインズ裁判長らが一年がかりで文章化。判決文はアメリカ政府に対して、原爆投下が国際法違反であることを公的に認め、犠牲者と遺族に謝罪と補償をするよう勧告しています。

 開廷にあたって、同法廷実行委員会共同代表の田中利幸広島市立大教授は「民衆法廷なので法的拘束力はないが、法的正当性には何ら不備がない。アメリカ政府が真摯(しんし)に耳を傾けることが、核兵器廃絶への一歩であると信じる」と報告しました。

 法廷には約三百人が参加し、アメリカのブッシュ大統領あてに勧告内容を忠実、誠実に実行するよう求めるアピールを採択。被爆者を代表して、日本被団協の坪井直代表委員が判決文を受け取りました。その後「判決の意義と今後の核兵器廃絶運動」をテーマにした記念シンポジウムを開きました。



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