2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」

中越沖地震

原発トラブルに各国関心


仏 「安全」神話に批判

 【パリ=山田芳信】十六日の中越沖地震はフランスでも大きく報道され、被害の規模とともに柏崎原発の火災に注目が集まりました。これを警鐘として、同国の原子力「安全」神話を批判する声もあがっています。

 フランスは、国内電力生産の78%を核エネルギーに頼る原発大国であり、仏電力公社(EDF)は安全性を強調しています。しかし二〇〇三年に仏北東ストラスブール近くでマグニチュード5・8の地震が発生し、震源地近くに四つの原発があったことから安全性への懸念が高まりました。

 約八百の団体で構成されるネットワーク「核からの脱却」は、政府が〇五年に公表した地震危険度を示す地図に基づき、四十二の原発が危険とされる地域にあると指摘。そのうち最も危険と指定された地域にある四つの原発を即時閉鎖するよう求めていました。

 同ネットワークは今回の中越沖地震を受けて声明を発表し、「EDFは〇三年以来、(耐震工事などに)必要な二十億ユーロ(約三千三百六十億円)を支払うことを拒否してきた」と安全性より利潤を追求する姿勢を批判。改めて最も危険だとされる四カ所の原発の閉鎖を求めました。

米紙 火災・放射能漏れ注目

 【ワシントン=山崎伸治】十六日発生した新潟県中越沖地震について、十七日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は東京特派員電を掲載しました。その半分を東京電力柏崎刈羽原子力発電所で火災が発生し、放射能を含む水が海に流れ出たことにあて、詳しく報じています。

 同紙は、漏水に放射性物質が含まれていることを認識しながら発表を遅らせた東電の対応の経過を時間を追って紹介。このことが「日本の原子炉の安全性をめぐって新たな懸念をもたらしそうだ」と指摘しています。


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