2007年7月21日(土)「しんぶん赤旗」
米装甲車 学校に侵入
沖縄
米軍装甲車らしい車両が沖縄県うるま市の県立沖縄高等養護学校の敷地に侵入したことが二十日までに分かりました。米軍装甲車が学校に侵入するのは前代未聞の出来事です。侵入したのは十八日午後五時前、校門からすぐの場所です。
学校が設置している監視カメラでみると、部活動のランニングコースを生徒が走っているところに、突然装甲車が迫っています。装甲車は校門から十メートルほど中に侵入したあと、方向転換して出ていきました。
同市には米軍ホワイトビーチがあります。
装甲車に遭遇した生徒の母親(48)は「驚きました。こんなことが起こって不安です。無事だったのでホッとしています」と語りました。
二十日午後、うるま市の知念恒男市長や市議会基地対策委員会の議員などが視察しました。
塩浜康男校長は「あり得ないことだ。子どもも相当ショックだった。心のケアに努めたい」と語りました。
日本共産党の田中直次市議は「『沖縄は自分たちのもの』という米軍の意識の表れ」、伊盛サチ子市議は「子どもの命にかかわる。今後厳しく追及していきたい」とそれぞれ語りました。
同日市の照会に那覇防衛施設局は「車両は米海兵隊であるが、部隊名や車種などは運用上の問題で答えられない」と回答しました。
知念市長は「県民、市民の安全にかかわるのに、『運用上』の三文字で片付けられたのでは、あまりに一方的」と厳しく批判しました。
物産店の前にも
学校侵入約一時間後の午後六時前、宜野座村漢那(かんな)の物産センター前の駐車場に合計五台の米軍装甲車が侵入、駐車していたことが二十日までに分かりました。
現場は国道329号沿いの村の第三セクター物産店「未来ぎのざ」の駐車場。地元の人や観光客が多く利用しています。
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