2007年7月23日(月)「しんぶん赤旗」
大企業減税
トヨタ1社に2500億円
税率戻せば4兆円の財源
庶民増税の一方、大企業には相次ぐ減税で、十年前と比べトヨタ自動車一社だけでも年約二千五百億円の減税効果(推計)を及ぼしていることが、本紙の試算で分かりました。
試算によると、トヨタ自動車、キヤノンなど製造業の経常利益上位五社だけで減税額総額は、約四千四百億円。上位二十社で約八千億円に達します。日本経団連は法人税の減税をことあるごとに求めてきました。トヨタ自動車は奥田碩・前日本経団連会長、キヤノンは御手洗冨士夫・現日本経団連会長のそれぞれ出身企業です。
試算は一九九七年度と二〇〇六年度の税制を比べたもの。九七年には37・5%だった法人税率(基本税率、法人事業税12%)の相次ぐ引き下げ(現在、基本税率30%、法人事業税7・2%)や、小泉自民・公明内閣によって導入された研究開発減税などによる大企業優遇税制の効果が表れています。
トヨタ自動車は、〇七年三月期通期決算で、営業利益二兆二千三百八十六億円を計上。日本企業で初めて営業利益を二兆円台に乗せました。試算は、自民・公明政治による大企業優遇税制が、バブル期を超える空前の利益を更新し続ける一部の大企業に、多額の恩恵を与えていることを浮き彫りにしました。
日本共産党は参院選政策で、大企業の法人税率を十年前の水準に戻すだけでも四兆円の財源が生まれ、「ストップ貧困、いのちを守る」ための「緊急福祉1兆円プラン」など、くらしの予算に回すことができると主張しています。
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