2007年7月24日(火)「しんぶん赤旗」
正規雇用の合意守れ
徳島労働局に 青年労働者が申告
日亜化学
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偽装請負で働いていた千六百人の労働者全員を直接雇用すると約束していた徳島県の日亜化学工業が、約束を守らず労働者を不採用にしている問題で、全日本金属情報機器労組(JMIU)徳島地域支部の青年労働者七人が二十三日、「日亜化学が期間の定めのない雇用契約の申し入れを労働者に行うよう指導、助言および勧告する」ことなどを求める申告書を徳島労働局に提出しました。
JMIUと日亜化学は昨年十一月、県も立ち会った協議で「三年働いた労働者を順次直接雇用する。その間の雇用保障や労働条件の改善に配慮する」ことで合意。ところが日亜化学は合意を守らず、JMIU組合員全員を不採用にする一方で、四月に二百五十五人を新規採用。組合員は、日亜化学にも請負会社にも籍がなくなり、収入もない状態に置かれています。
県庁で記者会見した組合分会長(34)は、「日亜化学との合意は、県が入っており信用していたのに、告発した私たちへの報復だ。全国の青年労働者の希望を踏みにじり、労働者と世間を欺く極めて悪質なもので許せません」と話しました。
また、JMIUと徳島労連は県に対しても、(1)日亜化学が希望者全員を正規雇用を前提として直接雇用するよう指導する(2)直ちに三者(JMIUと日亜化学、県)協議の場を設定し解決をはかる―ことを申し入れました。
応対した県商工労働部の林善章次長は、日亜化学の合意破りについて明確に認めず、労働者側は「自分たちが立ち会った合意を踏みにじるのか」と批判し、指導を強く求めました。申し入れ後、組合員らは「収入もなくなり、生活していけない。必ず合意を守らせ、正規雇用を保障させるようたたかっていきたい」とのべました。
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