2007年7月26日(木)「しんぶん赤旗」
沖縄戦の真実 高校生に
東京で集会 教科書訂正めざす
沖縄戦で日本軍が住民に「集団自決」を強制したという高校の日本史教科書の記述が、文部科学省の教科書検定で書き換えられた問題で二十四日、東京都内で「沖縄戦検定を問う―教科書問題の今を考える緊急集会」が開かれました。世論と運動を広げ、来年四月に高校生の手に渡る前に事実をつたえる教科書にしようと語り合いました。
歴史学研究会、歴史教育者協議会、出版労連、子どもと教科書全国ネット21など十団体が主催。百人以上が詰めかけました。
集会では日本史教科書の執筆者が「集団自決」の記述について検定の経過を報告。問題の記述についての文科省の調査官とのやり取りはわずか数分に限られ、反論する資料もないまま書き換えざるを得なかったことを、「じくじたる思いだ」と述べました。この検定の背景に、「軍隊は住民を守らない」ということを教えたくない勢力の台頭があると指摘しました。
沖縄から平和教育をすすめる会の山口剛史事務局長は、検定結果が公表されて以後、政治的立場を超えて県民の怒りが広がり、中学生も撤回を求める請願を出したことを紹介。子ども育成会やPTA連合会などを中心に大規模な県民大会を成功させようとしていると述べました。
沖縄戦首都圏の会の呼びかけ人、石山久男さんは首都圏での運動について報告。「全国的な世論をつくり、教科書の訂正を実現しましょう」と訴えました。
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