2007年7月27日(金)「しんぶん赤旗」

米国との核協定

インドが承認


 【ニューデリー=豊田栄光】インドのシン政権は二十五日、政治・安全保障閣僚会議を開き、米国との核技術協力の実施要綱に関する二国間協定を承認しました。協定は、先週末に米国で行われた両国協議で合意されており、ムカジー外相は「インド側の懸念は適切に対処された」と米国側の妥協を示唆しています。

 協定の詳細は未発表ですが、インド地元紙の報道によると、(1)インド側は使用済み核燃料の再処理施設の査察を受け入れる(2)インドが核実験を行った場合、米国は地域の情勢を考慮し、協力の継続の是非を判断する―といった内容になったもようです。米国は当初、インドに対して使用済み核燃料の再処理禁止や核実験の禁止を求めていました。インド側は「主権にかかわる問題」として、これらの要求を拒否していました。

 米印両国は昨年三月、インドが米国から核燃料や原子炉技術の提供を受ける核技術協力で合意しました。インドは原子力施設を民生用と軍事用に区分し、民生用については国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを了解しました。 核不拡散条約(NPT)に入らず核兵器を保有するインドに原子炉技術を提供するという例外扱いは、核不拡散体制をないがしろにするとの強い批判が世界で出されています。米印協定には、米国議会の承認や原子力供給国グループ(NSG)の支持が必要です。



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