2007年7月27日(金)「しんぶん赤旗」

「日雇い派遣」で使い捨て やめて

労働法制改悪が拍車

非正規の権利守る共産党


 「自活できない安い賃金のうえ、毎日働ける保証もないんです」

 大手派遣会社に「日雇い派遣」として登録して四年になる幸子さん(25)=仮名=は、不安を隠せない様子で語りました。

 倉庫の仕分けや検品などが仕事で、時給は九百円。毎日働いても十数万円にしかならず、これでは暮らせないと行政書士を目指しています。社会保険や雇用保険にも入れません。交通費も千円までは自己負担です。

 「親からアパートの家賃補助を受けているので何とかやっていますが、親からは三年までといわれています。毎日仕事があるわけでなく、会社から紹介がないと仕事がしたくてもできません」

 仕事に行けなくなったとき前日の夕方までに連絡しないと、「キャンセル料」として千円が、次の仕事の日給から差し引かれるので、体調が悪くても仕事に行きます。

 一回の仕事につき「データ装備費」の名目で二百円が天引きされていました。会社は返還すると報じられていますが、何の説明もありません。

 「まるで使い捨てのように働かされるのはいやです。普通に働いて暮らせる仕事がほしい」

財界の要求で派遣の自由化

 社会問題となった「ワーキングプア」はじめ不安定で低賃金の非正規労働者が増大しています。派遣や契約、パートなどで働く人は三割を超え、青年や女性では二人に一人にのぼっています。

 これは財界の要求を受けて実施した労働者派遣の原則自由化(一九九九年)や製造業への拡大(二〇〇三年)など労働法制の改悪をすすめてきたことが原因です。「偽装請負」と呼ばれる派遣法違反の賃金ピンハネもこうした派遣法の規制緩和が大本にあります。

 ところが自民・公明の与党は、「労働ビッグバン」と称して、派遣労働者に対する直接雇用の申し込み義務をなくすなど労働法制のさらなる改悪をねらっています。

 日本共産党は、こうした規制緩和にきっぱり反対してきた唯一の政党です。国会で偽装請負を追及し、二度にわたって厚労省に是正通達を出させるなど、非正規社員の権利をまもってきました。

 参院選では、派遣は臨時・一時的な場合に限定させ、均等待遇や正社員化などを提案。そのために派遣法を「派遣労働者保護法」に改正することを掲げています。

 民主党は、「長期安定雇用が基本」とマニフェストで掲げていますが、労働者派遣の原則自由化(一九九九年)には、自民、公明、社民とともに賛成。首切り自由の「有期雇用の拡大」(〇三年)にも自民、公明と一緒に賛成しました。「雇用基本法」を打ち出していますが、改悪派遣法の抜本改正などにはまったくふれられません。

 社民党は「なくせ働く格差」といいますが、これまで労働者派遣の原則自由化に賛成してきました。そのため、「製造業の派遣は禁止」とするにとどまってます。



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