2007年7月28日(土)「しんぶん赤旗」
イラク難民で関係国会議
具体策提示 国民的和解めざす
【カイロ=松本眞志】ヨルダンの首都アンマンで二十六日、イラク難民受け入れ国を中心に関係国代表が集まり、問題解決について話し合いました。会議の声明は「難民問題解決の真に効果的な解決策は、難民をイラクに帰還させることだ」とし、十項目に及ぶ具体策を提示。「すべての政治・宗教勢力、民族が参加する国民的和解に導く政治プロセスを通じた安全と安定が重要だ」と強調しました。
会議には主催国ヨルダンのほか、イラク、シリア、エジプト、国連、欧州連合、アラブ連盟、赤十字、赤新月社が参加。オブザーバーとしてイラン、トルコ、ロシア、英国、日本、米国が会議に加わりました。
ヨルダン代表は、難民支援のために同国が年間十億ドルの国家予算を費やしていると窮状を示し、保健、給水、教育の分野での直接的な国際支援を要請しました。
シリア代表は、難民問題の原因が米国の占領政策にあると指摘。「米国は真剣に難民受け入れ国を支援する責任を引き受け、イラクの安全と安定を保障する政治的解決策をとるべきだ」と主張しました。
イラク代表は、難民受け入れ国を通じた難民支援システムのために二千五百万ドルの予算を割り当てたと発言しました。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、〇三年の米軍のイラク侵攻以前を含む暴力などが原因で、現在、四百万人のイラク人が避難民・難民化したと報告。シリアに百四十万人、ヨルダンに七十五万人の難民がいると説明しています。
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