2007年7月30日(月)「しんぶん赤旗」

主張

非核の世界と日本

原水爆禁止世界大会の成功を


 人類絶滅への危険を警告した広島・長崎への原爆投下から六十二年目の八月六日、九日が間近に迫りました。核兵器廃絶が世界の声になる一方、核使用政策や拡散への懸念が広がるもとで、原水爆禁止二〇〇七年世界大会の成功が期待されます。

逆流を乗り越えるとき

 この間、日本の原水爆禁止運動は世界の人びととともに、米ブッシュ政権による危険な逆流に立ち向かい、「核兵器のない平和で公正な世界」(大会テーマ)のために奮闘してきました。ことしの世界大会は、米政権がきびしい批判と孤立にさらされるもとで、内外でさらに運動を前進させる場となるでしょう。

 その中心は、二〇一〇年の核不拡散条約(NPT)再検討会議を展望し、核兵器廃絶を迫る流れをいっそう発展させることです。

 この間、二〇〇〇年再検討会議で核保有国も合意した核兵器廃絶の「明確な約束」をめぐって、鋭い対立が続いてきました。「テロと大量破壊兵器拡散の脅威」を口実に先制攻撃と核兵器使用戦略をうちだし、イラク戦争を強行したブッシュ政権は、合意の実行を拒否するばかりか無効化をねらい、「使いやすい」核兵器の開発さえ進めています。

 このもとで日本の原水爆禁止運動は、アメリカの核兵器政策への批判、拡散問題の打開の方向などを明らかにしながら、核兵器廃絶の国際署名を世界に提起し、共同で〇五年NPT再検討会議や国連総会に提出するなど運動をリードしてきました。また二〇〇〇年以来、毎年、核兵器廃絶で奮闘する政府代表が世界大会に出席し、政府と運動との共同という新しい発展もつくってきました。ことしも五カ国の政府代表をふくむ二十二カ国からの参加が予定されており、二〇一〇年に向けて、さらに大きな波になろうとしています。

 この間、「第二のスーパーパワー」といわれたイラク反戦運動や、大国主導のグローバリゼーションによる貧困や環境破壊に反対する運動の代表も多数世界大会に参加してきました。これら諸運動と反核運動との連帯が強められ、イラク戦争の根本にあるアメリカの先制攻撃・核兵器政策への理解をひろげる機会となりました。社会フォーラムでも核兵器問題への関心がひろがるなど、相互の運動発展の力ともなっています。

 世界大会がこれら“草の根”の諸運動を結集し、二十一世紀の世界の共通課題について議論を深めることは重要です。

 日本では、参院選後の最初の全国的な平和の集会として、世界の流れに逆行する危険な歩みを許さない国民的な運動を、さらに前進させる決意の場になるでしょう。

 アメリカ議会でさえイラク撤退が大問題になっているとき、安倍政権はイラク戦争支持の誤りを認めず派兵延長を強行しました。

 憲法九条改悪のたくらみは、このようなアメリカの無法な戦争をともにたたかうためであり、アメリカの核抑止力・原爆投下容認もここに根源があります。

日本各地の草の根から

 長年にわたる原水爆禁止運動、いま大きく広がる憲法九条守れなどの諸運動をいっそう強め、憲法と非核三原則が生きる日本にすることは、世界とアジアの平和のための日本国民の責務です。

 世界大会の成功には全国からの平和の諸運動の結集が不可欠です。世界大会を支え、支持するすべての団体・個人が、地域、職場、学園からの代表を送り、今後のたたかいの前進につなげようではありませんか。



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