2007年8月1日(水)「しんぶん赤旗」
米下院が「慰安婦」決議
日本政府に謝罪要求
本会議初採択 「歴史の責任認めよ」
【ワシントン=鎌塚由美】米議会下院本会議は三十日、アジア太平洋戦争中に日本軍によって性奴隷にされた元「慰安婦」たちに対し日本政府が公式な謝罪を行うよう求める決議を採択しました。「慰安婦」問題での米下院本会議決議は初めてです。
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本会議で三十分にわたる討論の後、声や拍手で賛意を示す発声投票にかけられ、反対なしで可決されました。傍聴席では、二月の公聴会で証言した元「慰安婦」の李容洙さんらが静かに見守りました。
決議には、民主、共和両党の百六十七人の議員が共同提案者として名を連ねました。
決議は、日本軍が女性たちを「慰安婦」という性奴隷にしたことを「(日本政府が)十分に認め、謝罪し、明確であいまいでないやり方で歴史の責任を受け入れよ」と迫り、首相が公式に謝罪をするなら、「これまでの諸声明の誠実さとその地位をめぐり繰り返されてきた問題を解くことに貢献する」と述べています。
本会議の討論で、ラントス外交委員長は「非人道的な振る舞いについて全面的に認め、真実のすべてに光が当てられなければならない。このことは国家間の和解に不可欠だ」と語りました。さらに、「靖国」派国会議員による「慰安婦」強制を否定したワシントン・ポスト紙への全面広告に改めて言及し、「すべての『慰安婦』は喜んで強制され合意の上だったと断じる者は、『レイプ』という言葉の意味を理解していないだけだ」と厳しく非難しました。
ペロシ下院議長は採択後に声明を発表し、「決議は、『慰安婦』たちの真実と認知を求めるたたかいを米議会が支持するという強いシグナル」だと指摘し、日本政府の行動を促しました。
傍聴のために訪米した元「慰安婦」の李容洙さんは、「採決は、米市民社会と世界の良識の勝利だ」と喜び、「今こそ日本政府は、国際社会の呼びかけにこたえ公式な謝罪と法的な補償を行うときだ」と訴えました。
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