2007年8月1日(水)「しんぶん赤旗」

有効求人倍率 1・07倍

新規求人数前年比7%減 完全失業率3.7%

6月


グラフ

 総務省が三十一日発表した労働力調査(速報)によると、六月の完全失業率は前月と比べ0・1ポイント低下し、3・7%となりました。男性の失業率は3・8%、女性の失業率は3・5%で、それぞれ0・1ポイント低下。

 全体の就業者数は、前年同月比で五十三万人増の六千四百九十一万人となりました。

 完全失業者数は、前年同月に比べ三十七万人減少し、二百四十一万人となっています。

 また、厚生労働省が同日発表した全国のハローワーク(公共職業安定所)窓口での一般職業紹介状況によると、六月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月を〇・〇一ポイント上回り、一・〇七倍(パートタイム含む)となりました。

 「正社員」に対する有効求人倍率は、〇・五七倍となり、前年同月を〇・〇一ポイント下回りました。また、雇用の先行指標とされる新規求人数は前年同月比で7・0%減少しました。

 都道府県別に有効求人倍率をみると、最も低い沖縄県が〇・四四倍、最も高い愛知県が二・〇五倍と、四倍を超える格差がついています。


解説

実態は非正規雇用の増加

 完全失業率は3・7%になりました。しかし、一九九八年の水準に戻っただけで、依然として労働情勢が厳しい状態にあることには変わらず、その中身も手放しで喜べるようなものではありません。

 完全失業率の統計では、月末の一週間に少しでも仕事をすれば、失業者からは除外されるので、パートタイムや日雇いなど非正規労働の増加によって、完全失業率は低下していきます。

 年収百五十万円から二百万円程度の人が多い非正規雇用者の比率は、二〇〇六年四―六月期から〇七年一―三月期の間に七十九万人も増加し、雇用者全体に占める比率は過去最高の33・7%に達しています。

 一方、「正社員」に対する六月の新規求人数は、前年同月に比べて三万五千人減って、9・4%減少。「正社員」に対する有効求人倍率も〇・五八倍から〇・五七倍に低下し、正社員での就労を希望する人に対する求人は、三人に二人を大きく下回るという厳しい状況にあります。

 また、雇用の先行指標として使われる新規求人数も前年同月比で7%減少しており、毎月勤労統計調査での労働者の現金給与総額も、小規模事業所での給与の減少やパート労働の増加で、七カ月連続で賃金が前年比マイナスになっています。

 正規雇用での求人は減少傾向にあり、非正規雇用は依然として増加し続けているのが実態です。(吉川方人)



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp