2007年8月3日(金)「しんぶん赤旗」
イラク国民の3分の1 「緊急援助が必要」
国際援助組織が報告書 戦争終結が最優先
国際援助組織「オックスファム」は七月三十日、イラクに関する報告書を発表し、同国民の三分の一近くに相当する八百万人が緊急の援助を必要としている状況だと警告しました。
報告書は、▽国民の15%に当たる四百万人が十分な食べ物を定期的に買うことができない▽国民の70%はきれいな飲料水が供給されていない(イラク戦争が開始された二〇〇三年には50%)▽子どもの28%が栄養不良(〇三年には19%)▽92%の子どもが学業に困難をきたしている―と指摘しています。
イラク国内の避難民は二百万人強。その大部分は女性と子どもです。シリア、ヨルダンなど国外に逃れた避難民も二百万人を数えます。
四年余に及ぶイラク戦争が事態を悪化させてきました。報告書は、「紛争を終わらせることが最優先課題だ」と訴えています。
その上で、治安状況が大部分のイラク庶民の直面する最大の問題だとしても、水、衛生、食料、避難所など基本的必要を満たすことにもイラク政府や他の有力諸国の政府はもっと力を注ぐべきだと主張しています。
オックスファムのジェレミー・ホッブス代表は「戦闘とイラクの脆弱(ぜいじゃく)な制度が人道援助活動にとって厳しい制約となっている」と述べています。オックスファムも治安悪化のためイラクからの引き揚げを余儀なくされ、現在は現地で活動を続ける内外の援助団体と連携して援助活動を続けています。
報告書はまた、多くの人道援助団体がイラク派兵国から援助を受け取ることは自分たちの安全と独立を脅かしかねないとして拒否しており、派兵していない国からの支援の増大が期待されていると強調しています。
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