2007年8月3日(金)「しんぶん赤旗」
「北」の核 対話解決を支援
ARF閣僚会議が議長声明
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【マニラ=豊田栄光】アジア太平洋地域の安全保障問題を話し合う第十四回東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議が二日、マニラで開かれました。会議では、北朝鮮の核開発問題を話し合う六カ国(北と日米中韓ロ)協議が大きなテーマとなり、会議の成果をまとめた議長声明は、「対話と交渉を通じた核問題の平和的解決への支援を表明」しました。
北朝鮮による拉致問題については、「拉致」という言葉は用いず、「人道上の問題と国際社会の人びとの懸念に対処する重要性を強調した」との表現となりました。
議長国フィリピンのロムロ外相はARF終了後に記者会見し、北朝鮮の核と拉致問題に触れて、「重要なことは対話を続けることだ。六カ国協議の作業部会が八月末までに開催される。道のりは遠いが、これが爆弾のない道であり、障害を乗り越える道だ」と強調しました。
ASEAN外交筋は、「六カ国協議再開で、ARF内では(北朝鮮問題の)平和解決への機運が熟してきたと期待する雰囲気があった」と語りました。
一方、米国代表団の一員として参加した六カ国協議米首席代表のヒル国務次官補は会議終了後、記者団に対し、「今月は六カ国協議が活発化し忙しくなる。私たちは仕事をする上で良好な組織をつくった」と語り、作業部会での協議進展に期待を表明しました。
今回の閣僚会議からはスリランカが二十六番目の国として参加し、ARFは欧州連合(EU)を加えた二十六カ国・一機構のフォーラムになりました。
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