2007年8月4日(土)「しんぶん赤旗」
核兵器のない世界へ
原水爆禁止世界大会 国際会議始まる
共通の目標 実現しよう
原水爆禁止二〇〇七年世界大会の国際会議が三日、「核兵器のない平和で公正な世界を」をテーマに広島市内で始まりました。三カ国の政府とアラブ連盟の代表をはじめ、十九カ国百七人の海外代表と日本の代表が五日まで論議します。
政府代表・各国NGO 次々発言
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初日の会議には二百五十人が参加し、核兵器のない世界を共通の目標として実現しようと意見を交流しました。
主催者を代表してあいさつした実行委員会議長団の沢田昭二・名古屋大学名誉教授は、核先制攻撃戦略を進めてきたブッシュ米政権が世界で孤立し、核兵器廃絶を「究極的理想」と言わざるを得ないほど「追い込まれている」と指摘。核兵器のない世界に向け、世論を多く結集させようと呼びかけました。
アラブ連盟代表のモハメド・アブデル・モネイム顧問(軍縮・戦略問題)は、広島と長崎への原爆投下を認めれば、世界の都市への核兵器攻撃を認めることになるとして、核兵器反対運動の重要性を指摘。エジプト政府代表のヒシャム・バドル駐日大使は、核保有五カ国が核不拡散条約(NPT)の軍縮義務を果たしていないことが「NPTへの信頼性と全体の履行とを損なうことになる」と警告しました。
これを受け、日本共産党の緒方靖夫副委員長は、核保有国の核固執は、「イランや北朝鮮の核の問題を深刻化させた」と批判しました。
中国、イギリス、フランス、アメリカの核保有国や韓国のNGO(非政府組織)代表が次々と発言しました。
原水爆禁止日本協議会の高草木博・事務局長は、日本の運動が「世界に引き続き被爆の実相を発信し、核兵器のない世界への行動をよびかける特別の責任を持っている」と訴えました。
日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳事務局長が被爆者あいさつし、二〇一〇年の核兵器禁止条約の締結を求めました。
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