2007年8月4日(土)「しんぶん赤旗」

原水爆禁止世界大会国際会議

第1セッション NGO代表の発言

韓国 反核で韓日連帯を

米 平和へ私たちが行動


 原水爆禁止世界大会初日の第一セッションは、外国政府代表の報告に続き、「反核平和運動からの報告」で、韓国、中国、英、仏、米、日本から六人が発言しました。

 韓国・社会進歩連帯の林弼秀・執行委員長は、昨年の北朝鮮による核実験を機に、韓国の保守勢力が独自の核開発を主張し始めていると語り、朝鮮半島での核戦争を防ぐには核兵器保有ではなく大衆的な反核平和運動の“拡散”が必要だと強調しました。

 林氏は、東アジアの非核化、アメリカの軍事覇権からの自由をテーマに、五月に反戦反核平和東アジア国際会議をソウルで開催し、この後、「日本の憲法九条を東アジアの憲法に」を掲げる「日本平和憲法をともに守る韓国市民の会」が発足したと報告。「韓日の反核平和運動が展開する闘争と連帯は、いつになく緊急な課題です」と呼びかけました。

世界の勢力結集

 中国人民平和軍縮協会の牛強・秘書長は、核軍縮と不拡散を進めるために、国連憲章の目的と原則など普遍的に認められた国際関係の基準に基づいて国際安全保障環境を改善する努力が必要だとのべました。

 牛氏は、「アメリカが一極世界と核の優位性を確立するという世界戦略を強情かつ執ように追求している」と指摘し、「核兵器のない平和で公正な世界をめざすなかで、可能な限り世界のすべての勢力を結集し、広範な統一戦線をつくらなければなりません」と強調しました。

 イギリス核軍縮キャンペーン(CND)執行委員のデイビッド・ウェブ氏は、米国の攻撃的な対外政策が欧州で問題を引き起こすもとで、同盟国の英国が全米ミサイル防衛システムのために二基地の使用を合意したと報告。英議会が核トライデント潜水艦システム更新を決めたものの、国民の64%は英政府が核兵器全面禁止を支持するよう求め、国民からイラク撤退を求める大きな圧力が政府にかかっていると紹介しました。

 フランス平和運動全国ビューローのフランソワ・ガニエール氏は、仏政府がコンピューター・シミュレーションや核兵器の近代化を進め、核兵器の垂直拡散に積極的に参加していると告発。二〇一〇年のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向けた準備会議で、二〇〇〇年会議での核兵器廃絶への「明確な約束」を尊重し拡散防止の緊急性を確認したことを評価し、仏政府にも核軍縮を迫ろうと、大統領選や議会選挙のなかで候補者への質問書を送る運動を展開。十二月には全国行動デーを開くと表明しました。

イラク戦争失敗

 アメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソン氏は、「帝国と核兵器を克服して」と題して発言しました。イラク戦争の失敗や、米国が中国の大国化を懸念し、日本を巻き込んで軍事的に対抗しようとする動きを指摘。「私たちの大小の行動によって、歴史の弓を自由と平和の方へ曲げることができる」と語りました。

 日本原水協の高草木博事務局長は、「一〇年のNPT再検討会議に向けて、〇五年会議の失敗のくり返しを許さず、核兵器廃絶のプロセスを実際に開始させるために、市民社会と国際社会の両方で、核兵器なくせという圧倒的な世論をつくり上げなければならない」と強調し、世界の反核反戦運動の努力と、すべての国に対して、国連の場での核兵器全面禁止に向けた決議をあげるよう求めました。



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