2007年8月5日(日)「しんぶん赤旗」
ドイツで温暖化対策進む
再生可能エネルギー
今年中に14% 目標早期達成
【ベルリン=中村美弥子】ドイツの環境省は三日、風力や太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギーによる電力消費が今年中に14%に達すると予測し、二〇一〇年までに12・5%とする目標が三年早く達成されることを明らかにしました。ドイツは地球温暖化への対策で世界で先進的な欧州の取り組みの“けん引車”的役割を果たしています。
ドイツ環境省の予測は、昨年の電力消費量をもとに、今年後半の天候が通常通りであることを想定して割り出されたものです。
環境省によると、全体の電力消費のうち再生可能エネルギーは、二〇〇〇年は6・3%でした。〇五年に10%を超え、〇六年は12%と増加傾向にあります。
ガブリエル環境相は、「再生可能エネルギーは成功している。どんどん増大している」と評価。「二〇年までに少なくとも20%にするという目標を大幅に上回ることは現実的になっている」と強調しました。
同環境相は先月五日、二〇年までの目標値を引き上げる必要があるとの考えを示し、三〇年までの目標を45%にしたいと意欲を示していました。
ドイツは二一年までに国内の原子力発電所を段階的に閉鎖することを法制化してます。再生可能エネルギーは、原発の代替の役割を担う発電源として期待されています。二〇〇〇年に施行された再生可能エネルギー法は、電力会社に再生可能エネルギーによる電力の買い取りを義務付け、同エネルギーの普及に弾みを付けました。
今年三月に開かれた欧州連合(EU)の首脳会議は、二〇年までにエネルギー全体の20%を再生可能エネルギー源によるものとすることで合意。EUの資料によると、現状では、風力発電でEUは世界の発電量の70%以上を占め、太陽光発電でもドイツが日本を追い抜き世界一となっています。
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