2007年8月6日(月)「しんぶん赤旗」

米の大企業経営者が温暖化対策強化支持

声明発表


 【ワシントン=山崎伸治】ゼネラル・エレクトリック(GE)やエクソン・モービル、IBMなど米国を代表する大企業百六十社の最高経営責任者(CEO)が個人加盟するビジネス・ラウンドテーブル(BR)はこのほど、「温室効果ガスの排出量を地球的規模で削減することにつながる共同行動を支持する」との声明を発表しました。

 地球温暖化対策の強化を求める国際的な世論がいっそう高まるもとで、米国の多国籍企業も対策を講じることが「利益」だと見なし、「積極姿勢」に転換を図っています。今回の声明はそのことを裏付けるとともに、見直しがすすんでいるブッシュ政権の温暖化対策にも少なからぬ影響を及ぼすものとみられます。

 声明はBRの環境・技術・経済作業部会のチャド・ホリデー部会長(デュポン社CEO)が議会関係者や科学者の意見も踏まえてまとめたもの。同氏は七月十七日の公表の際、「気候変動に関する米企業CEOの考え方は著しく発展している。自分たちの企業にとって重要な問題だと見なすCEOが増えており、多くは米国に時宜にかなった行動を求めている」と述べました。

 三十一日に公表された最終版の声明は今後の政策目標として十一項目を列挙しています。

 そのうち「地球的規模の問題には地球的規模の解決策を導入する」の項目では、「米国だけを重視しても、世界的規模の温室効果ガスを削減できないし、大気中の濃度を一定にすることもできない」と指摘。中国やブラジル、インドといった「主要な排出国」にも削減目標を守らせるよう求めています。

数値目標に触れず

 「柔軟で段階的なやり方をとる」の項目では「経済的影響が容認できない場合には目標修正できるよう、政策的枠組みは十分に柔軟であるべきだ」と強調しています。

 声明は、具体的な政策に対しては、産業間の認識に濃淡があることをにじませています。数値目標についてはまったくふれていません。

 ブッシュ政権は九月に主要十五カ国と国連を招待し、温暖化の問題で国際会議を開催します。



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