2007年8月7日(火)「しんぶん赤旗」
原水爆禁止2007年世界大会・広島
広島アピール(全文)
原水爆禁止二〇〇七年世界大会・広島(六日)で決議された「広島アピール」(全文)は次の通りです。
ちちをかえせ/ははをかえせ
としよりをかえせ/こどもをかえせ
わたしをかえせ/わたしにつながるにんげんをかえせ
にんげんの/にんげんのよのあるかぎり
くずれぬへいわを/へいわをかえせ
(峠三吉『原爆詩集』より)
一九四五年八月六日午前八時十五分。アメリカが投下した一発の原爆は広島の街を壊滅させ、数カ月のうちに十数万人の命を奪いました。かろうじて生きのびた被爆者たちは六十二年の歳月を経たいまもなお、からだ、くらし、こころの深い傷に苦しめられています。「再び被爆者をつくるな」「核兵器をなくせ」―被爆者のこの叫びはいま世界の声となり、圧倒的多数の政府もその実現を求めています。
被爆国であり、戦争放棄の憲法をもつ日本は、“核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず″の「非核三原則」を厳守し、核兵器廃絶のために国際政治の場でイニシアチブを発揮すべきです。
あいつぐ核武装発言や、「原爆投下はしょうがない」という発言に、被爆者をはじめ国民の大きな怒りがわきおこり、防衛大臣を辞任に追いこみました。また安倍政権は、過去の侵略戦争の正当化と憲法九条の改悪をねらい、在日米軍基地を再編強化し、アメリカとともに「戦争する国づくり」へとつきすすんでいます。しかし国民は、参議院選挙できびしい審判を下し、こうした動きに大きな打撃をあたえました。
いまこそ運動をさらに力強く前進させるときです。「核兵器のない平和で公正な世界」「憲法九条が輝く非核・平和の日本」を求め、草の根の行動と共同をさらにひろげましょう。
二〇一〇年のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向けて、核兵器廃絶の運動がさらに高まろうとしています。国連とすべての加盟国政府、とりわけ核保有国にその実行をせまり、国連総会で核兵器全面禁止条約の協議開始を決議するよう強く求めましょう。
十月の国連総会、来春のNPT再検討会議準備委員会に向け、「すみやかな核兵器の廃絶のために」署名を全国の地域・職場・学園でいっそう強め、世界にひろげましょう。
日本政府が核兵器の廃絶と「非核三原則」の厳守を世界に宣言することを求める「非核日本宣言」運動を、九月の地方議会を皮切りに全国で一挙にひろげましょう。
世界の宝・憲法九条を守りぬく国民的な行動と共同をさらに強めましょう。アメリカの先制攻撃・核使用の政策と一体となった米軍基地の再編・強化に反対し、沖縄、岩国、横須賀など住民ぐるみのたたかいに連帯し、支援しましょう。イラクやインド洋に派遣されている自衛隊の撤退を求めましょう。
原爆症認定集団訴訟の勝利と認定行政の抜本的改善の実現へ、国民的な支援をひろげましょう。被爆体験を聞き取り、受けつぎ、伝えていく活動、原爆展や原爆パネルの普及、映画や演劇、音楽など文化活動にとりくみましょう。被爆の惨禍を伝える原爆遺跡を保存しましょう。
核兵器も戦争もない平和で公正な世界をめざして、私たちは前進します。
被爆者とともに、未来をになう若い世代と経験豊かな世代が腕を組んで―。
ノーモア・ヒロシマ! ノーモア・ナガサキ! ノーモア・ヒバクシャ! ノーモア・ウオー!
二〇〇七年八月六日
原水爆禁止二〇〇七年世界大会・広島
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