2007年8月7日(火)「しんぶん赤旗」
信頼回復 核廃絶で
米で原爆式典
日本被団協代表も訴え
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【ワシントン=山崎伸治】米国の首都ワシントン中心部のリンカーン記念堂前で、広島への原爆投下の時刻となる米東部五日午後七時十五分にあわせ、日本被団協の代表二人を迎えて、記念式典が行われました。
ヒロシマ・ナガサキ平和委員会などワシントンの反核・平和組織が開く式典は今年で二十六回目。活動家ら四十人が参加したほか、市内有数の観光地の記念堂を訪ねた人たちも足を止めて、被爆者らの訴えに耳を傾けました。
核兵器の廃絶と核兵器関連予算の国民向け転換を米政府に義務付ける「核軍縮・経済転換法案」を連邦議会に提出している地元選出のエレナー・ホームズ・ノートン民主党議員があいさつ。「米国民のだれもがあの日、何が起きたのかを理解する必要がある」と述べ、「米国は核兵器を廃絶することで、その信頼を回復すべきだ」と訴えました。
小雨の中、被団協代表がそれぞれ発言しました。塚本美知子さん(72)は、十歳の時に滞在先の瀬戸内海の島で、広島から運ばれてきた重傷の原爆被災者の看護を一カ月にわたって手伝った体験を紹介。「原爆の恐ろしさを伝え続けていくのが使命だ」と述べ、原爆詩人・峠三吉の「にんげんをかえせ」を英語で朗読しました。
久保山栄典さん(70)は、被爆の後遺症を恐れ、結婚後も長女が生まれるまで入籍しなかったことや、弟ががんや原因不明の皮膚病を患っていることを紹介し、「原爆はその時だけでなく、六十年以上たった今も被爆者を苦しませている」と強調。「核兵器の廃絶と、絶対に戦争をしないというのは、被爆者の悲願だ」と述べました。
そのほか、二十六年間ホワイトハウス前で監視行動を続けるウィリアム・トーマスさんや、ネバダ核実験場の風下地区の元住民デニス・ネルソンさんら、地元の反核・平和活動家が次々と登壇し、核兵器廃絶を訴えました。
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