2007年8月9日(木)「しんぶん赤旗」

「辞退届」による生活保護廃止

検証委で批判相次ぐ

北九州市


 北九州市の生活保護行政のあり方を考える検証委員会の第七回会合が八日、小倉北区で開かれました。同市では、小倉北区の男性(52)が「辞退届」を提出したことをもって生活保護を打ち切られ餓死する事件が発生しています。会合では、「辞退届」による保護廃止を問題視する専門家の厳しい指摘が相次ぎました。

 厚生労働省審議会の生活保護専門委員会の委員をつとめた石橋敏郎・熊本県立大学教授は、生活保護廃止の是非をめぐって争われた二〇〇六年の広島高裁の判決にふれながら、「辞退届の提出だけで行政が(自立の)判断をおこなうことは適切ではない」と指摘。検証委員会の稲垣忠委員長も、「(生活保護の廃止にあたっては受給者の)『自立のめど』を確認するよう要望する」との見解を再三、示しました。

 一方、市側は「生活保護の申請、廃止に際しては、本人の意思を尊重する」として、行政対応に問題がないことを強調。しかし、委員の質問などに対し、「他の政令市に確認したところ、(北九州市以外の政令市は)おおむね受給者の自立のめどを確認しているとの回答があった」と述べ、同市が異例の運営をおこなっていることを認めました。



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