2007年8月10日(金)「しんぶん赤旗」

“非核3原則法制化こそ”

長崎市長平和宣言


 強い日差しのなか、被爆六十二年を迎えた九日、長崎市主催の平和式典が平和公園で開かれました。田上富久市長は「長崎平和宣言」のなかで、「被爆国の政府として、憲法の平和と不戦の理念に基づき、核兵器廃絶に向けて、強いリーダーシップを」と訴えました。

 田上市長は「米国による核兵器の更新計画は、核軍拡競争を再び招く恐れがある」と指摘。国内でも「原爆投下への誤った認識や核兵器保有の可能性が語られる」ことを批判し、「非核三原則を国是とするだけではなく、その法制化こそ必要だ」と強調しました。

 被爆したクスノキがよみがえり、その苗が全国で育っているエピソードを紹介、「たとえ逆風が吹き荒れようとも、私たちは核兵器のない未来を決して決してあきらめない」と述べました。

 式典では、この一年間で新たに死亡が確認された被爆者三千六十九人の名簿が納められ、死没者の総計は十四万三千百二十四人になりました。

 被爆者を代表し、「平和への誓い」を行った正林克記さん(68)は、六歳のときの被爆体験を生々しく語り、「原子爆弾は人類の悪魔」「あまりにも不条理」と怒りを込めて告発しました。

 日本共産党を代表して、市田忠義書記局長らが出席しました。

 来賓としてあいさつをした安倍晋三首相は「長崎、広島の悲劇を再び繰り返してはならない」と述べました。

 原爆投下を「しょうがない」と発言した久間章生前防衛相の姿はありませんでした。久間氏は県選出国会議員として例年、式典に参加していました。



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