2007年8月11日(土)「しんぶん赤旗」

日米が軍事秘密協定

一体化加速 知る権利侵害


 日米両政府は十日、最新の軍事技術など米国が提供する「秘密軍事情報」の秘密保全措置を講ずることを定めた「日米軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)を締結しました。麻生太郎外相とシーファー駐日米大使が署名しました。

 同協定の締結は今年五月の日米安保協議委員会(2プラス2)で合意されていました。今後、日米軍事一体化のいっそうの加速に加え、情報保全の強化で国民の知る権利が侵害される危険があります。

 「秘密軍事情報」は軍事技術や装備、文書に加えて、口頭によるもの、映像や電子・磁気情報などあらゆる形状に及びます。協定では、これら「秘密軍事情報」について、(1)米側と同じ秘密指定を行い、「機密」「極秘」「秘」の三段階に区分する(2)アクセスできる者を制限する(3)政府が企業に「秘密軍事情報」を提供する場合、守秘義務契約などを行う―などの措置が定められています。

 GSOMIAが締結されると、「秘密軍事情報」の取り扱いが米国と同一のものとなり、米国内の行政手続きが円滑に進むため、これまでは認められなかった米艦船の日本国内での修理や装備品の購入などを進める上で有利とされています。このため、利益拡大を狙う軍需企業が締結を要求してきました。

 政府はGSOMIA締結に伴って、情報漏えいへの罰則規定など新たな立法措置を検討していましたが、政治的に困難なため見送られました。しかし、国家公務員への強い圧力となるのは間違いなく、国民の権利である情報公開請求などに影響が出る恐れがあります。

 米国は六十数カ国とGSOMIAを締結しているとされています。



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