2007年8月11日(土)「しんぶん赤旗」
最低賃金、6―19円上げ
中央審目安答申 労働者要求に遠く
最低賃金改定の目安を審議していた中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)は十日、二〇〇七年度の地域別最低賃金について、六―十九円(全国平均十四円)の引き上げを目安とする答申をまとめ、柳沢伯夫厚労相に提出しました。
現行は、最高が東京の七百十九円、最低は青森や沖縄など六百十円で、全国平均は六百七十三円。示された引き上げ目安額は、東京などAランクが十九円、埼玉などBランクが十四円、北海道などCランクが九―十円、青森などDランクが六―七円。(別表参照)
目安が時給で示されるようになった〇二年度以降で最大の上げ幅です。生計費無視の実態を告発し、国会に最低賃金法改正案が提出されるなど情勢を動かしてきた世論と運動の反映です。
しかし、Dランクではフルタイムで働いても年収は約百三十万円。貧困と格差が広がるなか、大幅引き上げを求める労働者の要求にはほど遠く、すでに百円以上ある地域格差を拡大しかねない内容となっており、引き続くたたかいが焦点です。
これまでの審議では、労働者側が五十円以上を求めたのに対して、使用者側が、大企業の下請けいじめはそのままに、中小企業の経営難を理由に大幅引き上げに反対したため、合意に至らず、公益委員が示した目安額を答申に盛り込みました。
今後、この目安を受けて各地方審議会が月内にも各県ごとの引き上げ額を答申することになっており、地方でのたたかいが課題になっています。
07年度最低賃金の引き上げ額の目安
ランク | 都道府県 | 引き上げ額 | 現在の平 均最低賃 |
【A】 | 千葉 東京 神奈川 愛知 大阪 | 19円 | 710円 |
【B】 | 栃木 埼玉 富山 長野 静岡 三重 滋賀 京都 兵庫 広島 |
14円 | 674円 |
【C】 | 北海道 宮城 福島 茨城 群馬 新潟 石川 福井 山梨 岐阜 奈良 和歌山 岡山 山口 香川 福岡 |
9―10円 | 647円 |
【D】 | 青森 岩手 秋田 山形 鳥取 島根 徳島 愛媛 高知 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 |
6― 7円 | 612円 |
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