2007年8月14日(火)「しんぶん赤旗」
中越沖地震
仮設住宅の入居開始
「ホッとした」一方で不安も
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新潟県中越沖地震で大きな被害に見舞われた柏崎市で十三日、仮設住宅への入居が始まりました。厳しい避難所生活から解放され、入居できた被災者からは「ホッとできた」との声が聞かれる一方で、仮設住宅の不足から入居できない被災者からは行政の対応を批判する声もありました。
同市では地震で全壊七百九十一棟、大規模半壊三百十九棟、半壊千九百八十棟、一部損壊二万四千百四十三棟の大きな被害が出ました。
六十五戸の仮設住宅が建つJR柏崎駅前の「ふれあい広場団地」では午前九時すぎから、泉田裕彦知事や会田洋柏崎市長も参加して、「カギ渡し式」が行われました。
知事からカギを受け取った女性(59)は「夫婦と母親の三人暮らしです。八十八歳の母は常に介護が必要です。狭いですが、文句はいえません」と笑顔で話しました。
「八十歳を過ぎた両親を入居させた」という男性(50)は「両親の家は全壊で仮設に入れました。私の家も被害をうけて住める状態ではないが、半壊ということで入れなかった。まずは年寄りを何とかしないといけないと、自分のところはがまんしているが…」と複雑な心境をのぞかせました。
知事の「困難や悩みをご相談してください。希望を持てる第一歩にしたい」というあいさつに、この男性は「市の窓口にいっても『あなたは駄目です』というだけ。知事のあいさつは実際の現場を見ていないひとごとの言葉だ」と話しました。
柏崎市などでは、千百八十二戸の仮設住宅が造られますが、これまで入居を申し込んだ被災者で四百五十一世帯が入居不許可になっています。
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