2007年8月15日(水)「しんぶん赤旗」
盧大統領 陸路平壌へ
南北首脳会談 準備協議で合意
韓国と北朝鮮は十四日、第二回南北首脳会談(二十八―三十日)準備のための事前協議を北朝鮮の開城で開き、盧武鉉大統領をはじめ韓国代表団が専用車両を使い陸路で平壌に入ることで合意しました。実現すれば盧大統領は軍事境界線(休戦ライン)を初めて越える韓国大統領となります。(面川誠)
韓国と北朝鮮が戦火を交えた朝鮮戦争(一九五〇―五三年)は、休戦協定が締結されたままの状態で正式な終戦に至っていません。韓国大統領が休戦ラインを越えることは、平和構築に向けた意思を示すとともに、二〇〇〇年の第一回南北首脳会談後の南北関係の進展を象徴するものといえます。
また、休戦ラインの南側沿いは朝鮮戦争に参戦した国連軍(司令官は在韓米軍司令官が兼任)の管轄下にあります。国連軍管轄区域を韓国首脳が通ることで、南北の当事者によって朝鮮半島の平和を維持する姿勢を示す意味もあります。
南北は第一回首脳会談の合意に基づき二〇〇〇年から鉄道と道路の連結工事を開始。〇三年六月に鉄道が、〇四年十月には道路の連結が完工し、道路は同年十二月から運用が始まりました。道路は開城工業団地に進出している韓国企業に出勤するために、ソウルから平日の日帰り通勤が行われています。
今回の事前協議で韓国側は鉄道による訪問を提案しましたが、北朝鮮側は難色を示しました。韓国政府の発表によると、大統領以外の韓国政府当局者も陸路で平壌まで行ったことはないといいます。
事前協議ではこのほか、首脳会談の議題を(1)朝鮮半島の平和(2)民族共同の繁栄(3)祖国統一の新たな局面―とすることで原則的に合意。盧大統領は金正日・朝鮮労働党総書記や金永南・最高人民会議常任委員長と会談し、共同文書を発表することも決めました。
韓国側代表団の規模は、韓国メディアの代表取材団を含め、前回より二十人多い二百二人。韓国政府は二十一日に三十人の先遣隊を平壌に派遣します。
事前協議には韓国側から李寛世・統一次官、北朝鮮側からチェ・スンチョル朝鮮労働党統一戦線部副部長が代表として出席。具体的な日程などは今後の追加協議で決めます。
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