2007年8月18日(土)「しんぶん赤旗」
新アジェンダ連合とは?
〈問い〉 原水爆禁止世界大会にも新アジェンダ連合に加わっている諸国が政府代表を送っていますが、新アジェンダ連合とは、どういうグループですか?(埼玉・一読者)
〈答え〉 新アジェンダ連合とは、核兵器廃絶の実現のために共同行動をとっている中堅諸国、スウェーデン、アイルランド、ブラジル、メキシコ、ニュージーランド、エジプト、南アフリカ共和国の7つの非核保有国グループのことです。
この7カ国とスロベニアの外相は1998年6月にストックホルムで「核兵器のない世界へ―新たな課題(新アジェンダ)の必要性」という共同宣言を発表し行動を開始しました。スロベニアはその後、米国の圧力でグループから脱退しました。
共同宣言は、46年1月の国連総会第1号決議が核兵器の廃絶を求めるものだったことを想起し、核不拡散条約(NPT)で核保有の特権的地位を認められている5大核保有国(米、ロ、仏、英、中)と核保有の能力があるインド、パキスタン、イスラエルの3国に、「それぞれの核兵器および核兵器製造能力廃絶を明確に誓約し、その実現に必要な具体的な段階と交渉についてただちに取りかかる」よう強く要求しました。
これに基づき、新アジェンダ連合は同年の国連総会にすみやかな核兵器廃絶の誓約をもとめる決議案を提案しました。
2000年4、5月にニューヨークで開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議は、同条約6条に基づく核保有国の義務として核兵器廃絶の「明確な約束」を明記した最終文書を採択しました。この最終文書をまとめる上で、新アジェンダ連合は重要な役割を果たしました。
新アジェンダ連合はその後、ほぼ毎年、国連総会に「明確な約束」を核保有国が履行するよう求める決議を提出しています。昨年の国連総会でも、新アジェンダ連合提案の「核兵器のない世界に向けて、核軍縮の約束実行の加速」は賛成157、反対7(北朝鮮、フランス、インド、イスラエル、パキスタン、英国、米国)、棄権13で採択されています。
ことし4月末から5月にかけてウィーンで開催された2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けての第1回準備委員会で、新アジェンダ連合として演説したアイルランド代表は「核兵器が二度と使用されない唯一の保証は核兵器の完全廃絶」だと主張、非同盟諸国などとともに、改めて核保有国に核兵器廃絶の決断、交渉の開始を強く迫りました。(夏)
〔2007・8・18(土)〕