2007年8月24日(金)「しんぶん赤旗」

米大統領

戦争継続を正当化

批判から一転 イラク首相を支持


 【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ米大統領は二十二日、中西部ミズーリ州で演説し、イラクの治安安定のためには米軍駐留が必要だと改めて強調、戦争継続を正当化しました。

 ブッシュ大統領の演説は、米軍の早期撤退を求める声をけん制して行われたもの。九月半ばまでに行われる米軍現地司令官の戦況報告を踏まえた対応への地ならしとみられています。

 朝鮮戦争やベトナム戦争などの退役軍人らを前に演説したブッシュ大統領は、米軍駐留がイラクを「不安定化させている」という批判があることを認めながらも、「イラクでの民主主義の実現は、米国民をテロリストの攻撃から守りつづけるために決定的な意味を持つ」などと主張しました。

 そのうえで、現在バグダッドを中心に行われている増派作戦は「前進をみている」と述べ、イラクのマリキ首相について「困難な仕事に取り組む優れた人物」だとし、「支持」を強調。前日の同首相に距離を置いた発言を軌道修正しました。

 シリア訪問中のマリキ首相は、ブッシュ政権からの批判に強く反発していました。

 ブッシュ大統領は、第二次世界大戦における対日戦争や朝鮮戦争、ベトナム戦争に言及。「日本の軍国主義者、朝鮮、ベトナムの共産主義者は人類のあり方にたいする無慈悲な考えに突き動かされていた」などと述べ、ベトナム侵略戦争を含め正当化しました。その上で、テロとのたたかいは、「無慈悲な考え」に対する闘争と同様の「思想闘争」だと主張しました。

 さらに、現在の日本や韓国を例にし、これらの諸国が享受している自由と民主主義は、イラクの「前例」だと述べ、イラク戦争での米国民の辛抱を訴えました。



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